飴細工に必要な知識、技術
飴に関する知識や、飴で何かを表現するという技術はもちろんですが、ここではそれ以外に必要な知識、技術としてお教え致します。
まず、簡単に言うとデザイン力、観察力、そして最も大事なことは根性です。
大きなコンクールになればなるほど、作品も大きな物を求められます。
また、参加する職人のスキルも高いレベルになるというのが、一般的な常識です。
大きな作品を作ろうとすればするほど、作品のデザインというのが重要になってきます。見た目の華やかさや、繊細さ、色使いなど、例え飴でなくてもひとつのオブジェとしても成り立つくらいのハイレベルなデザイン力が必要です。そういった良いデザインはもちろんとして、意外に難しく、デザインの妨げになるのが作品の重心をとるということです。
飴は、一般のオブジェで使うような素材とは全くことなる物です。
硬く強度があるように見えますが、本当は弱くもろいものです。
また、強度的に耐えられない場合は徐々に折れ曲がったりということはありません。
一瞬でポキっと折れて、バランスを失った作品は雪崩のように崩れ落ちていきます。
デザインを考える上で、作品の重心、強度というものを最優先して考える必要があります。
また、コンクールにもよりますが、現地でリアルタイムで作成するコンクールもあれば、持込で作った作品を運んで展示するコンクールもあります。後者の場合、遠方から参加する選手は、長時間の移動に耐えうる作品に仕上げることが必要になります。
また、どれほど飴を自由自在に操りどんな形でも作りだしてしまう人がいたとしても。
見たことのないものは簡単には作れないと思います。
例えば、みなさんがよく見かけるような動物。キリンを例にあげてみましょう。
飴細工でキリンを作ってくださいと言っても、実際のところ動物園に行ってもキリンの詳細を把握するまで見ている人は少ないでしょう。
角ってどんな形?首と脚の長さの比率はどのくらい?尻尾はどんな形?模様ってどんな模様?足先はどんな形?
わかっているようで、実は漠然とみているだけで、わかっていない・・・
普段、なにげなく目にするような草木や花、果物、野菜、動物、すべての物や生き物の姿を日頃より意識的に見ることが重要です。意識して見ていない場合、自分が思っている以上に漠然としか見ていないと気づくと思います。
また、絵が得意で2次元では表現できる人も、3次元の世界になると表現できない人もいます。
日頃より、粘土やマジパンで動物や花を作る練習も重要です。
このように、飴細工には飴そのものを操る技術だけでなく、単純に見たものをそのまま作るという
技術も必要になってきます。
その現実の摸写に加えて、自分でデザインした架空の花や、デザインオブジェなどを組み合わせて1つの作品として仕上げていくことになります。